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サントラ・ジェームズ・ボンド・映画音楽アートの研究・映画コラム

「ジェームズ・ボンド映画」のサントラを中心に、映画音楽、映画批評、アートなどを述べていきます。映画コラム・写真集などあります。

黄金銃を持つ男

ンド映画・サウンドトラック

● 黄金銃を持つ男 The Man with the Golden Gun の音楽について

●タイトルバック 
 The Man with the Golden Gun  主題歌・ルル

 ジョン・バリー作曲。シリーズ通してムーディな曲が多い中、この「The Man with the Golden Gun」は、パンチを効かせた部分とムーディーな部分を併せ持った名曲。ルルの歌声も聞かせる。サントラと本編の同曲は、演奏構成とルルの歌い方が若干違うような感じがします。

●挿入歌 特になし
●ラスト曲
●全12曲

●極私的アルバム評価  

★★★
The Man with the Golden Gun  歌・ルル
 帆船が航行する映像をバックに、ボンドの「グッナイト、サー」のセリフとボンドガールのグッドナイトの名に被せて、ルルが「グッナイ~グッナイ~」とタイトルの時とはややスローで歌い始める「The
Man with the Golden Gun」。歌詞もエンドタイトル用のオリジナルで1番だけ歌われる。聞かせます。名曲。サントラに入ってます。



●「黄金銃を持つ男」サントラ、作品内の曲について
 前作「死ぬのは奴らだ」でお休みしたジョン・バリーが戻ってきましたが、なんともまあ、一体どうしちゃったんでしょうかという出来栄え。まあ、本編があの状態ですから、気が乗らなかったのか、曲を付けにくかったのか何なのか? バリー本人もドキュメンタリで「(360度回転シーンは)もっといい曲を付けてやればよかった」と言っているように、全体的に曲に気迫がない。「ダイヤモンドは永遠に」の時とは大違いです。

 特に、”こりゃマズいだろう”と思わせるのは、この作品の最大(唯一?)の見せ場であろうカーチェイスで、360度、車が回転するシーンに縦笛で「ピ~ヨ、ピ~ヨ」という音楽と言うか効果音を付けて、命がけシーンそのものを滑稽にしてしまったこと。上記のようにバリー本人が反省しているが、作品に対しての愛情が感じられません。


主題歌・ルル
 基本的に作品全体を、「ボンドのテーマのストリングス演奏」と「The Man with the Golden Gun」のパンチの効いた旋律をストリングスで、ムードある部分をストリングスやフルートなどで演奏している。

 オープニング、ロジャーに合わせたのか、ガンバレルがストリングスで上品、そのままスカラマンガの海岸のシーンの音楽につながりなかなかお洒落です。

 独自の旋律であるベイルートの格闘シーンのアクション音楽は、同音階の繰り返しでいささか安っぽい。このシーンだけの曲ですね。今回のアクションテーマは、「The
Man with the Golden Gun」のアレンジで全部済ませちゃったような感じです。

 下記、サントラに無い、本編で聞かれる曲。
・マカオが登場するシーンでボンドのテーマが東洋風にアレンジされる。
・マカオの銃砲店でのスリリングな音楽。
・マカオのカジノ店での音楽もサントラにはない。
・アンドレア(モード・アダムス)のシャワーシーンでのムードある音楽。
・香港ネオン街で狙撃シーンの音楽もサントラにはない。
・ソレックス・アジテーターを取り出すシーンの音楽(この曲が一番壮大)。

 2000年代初頭のボンドサントラ、ボーナストラック入り販売リストに今作「黄金銃を持つ男」は入りませんでした。もし入ったとしたらボーナストラックは上記の6曲になりますが、アルバムの印象はさほど変わらないと思います。

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