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サントラ・ジェームズ・ボンド・映画音楽アートの研究・映画コラム

「ジェームズ・ボンド映画」のサントラを中心に、映画音楽、映画批評、アートなどを述べていきます。映画コラム・写真集などあります。

ムーンレイカー

● ムーンレイカー Moonraker の音楽について

●タイトルバック 
Moonraker 主題歌・シャーリー・バッシー
 前回お休みしたジョン・バリーが主題歌作曲に返り咲き、お気に入りのシャーリー・バッシーがシリーズ3度目(「サンダーボール」を入れれば4度目)の登板。この主題歌は、本編でインストメンタルとなってムードあるシーンに使われる。

●挿入歌
 「荒野の七人」のインストメンタル演奏。エルマー・バーステインのオリジナル音源ではなく、バリーがオリジナルに忠実に演奏したものと思われます。
●ラスト曲
●全10曲

●極私的アルバム評価  

★★★★★
Moonraker  歌・シャーリー・バッシー
 当時の世相を反映させたのか、「Moonraker」をディスコ調に編曲されたものをシャーリー・バッシーが歌う。


●「ムーンレイカー」サントラ、作品内の曲について
 この「ムーンレイカー」は、2000年時代のボーナストラック追加盤のリストには入らなかったが、このサントラ盤に入ってない本編には、聞かせる曲が多くあります。それらは後述として、この10曲のサントラ盤自体ですでにジョン・バリー節満開の名盤です。

 このサントラ盤では主に後半の宇宙関連の曲が中心となっていて、バリーの重厚な曲を聞くことができます。

 主題歌の「ムーンレイカー」は、ムードあるシーンでインストメンタルで使用され、アクションシーンには登場しません。ボートチェイスアクションには、ムーア作品で唯一使用された「007」が流れます。サントラで聞くとゆったりとした編曲でそれなりに聞かせますが、本編ではフェイドイン、フェイドアウトといった曲編集をしており、パンチを効かせると言うよりも、シーン自体を優雅な雰囲気にしています(それが良いといった見方もできるでしょう)。

 サントラ盤に入らず、本編で聞かれる曲は以下の通り。
・プレアクションでのスカイダイビング、ボンドのテーマと一連の曲(この曲はボンドミュージック再演奏の「Bond Back In Action 2」に収録された)。
・ベニスのゴンドラアクションでのボンドのテーマが優雅に編曲され流れる。
・リオ到着時、女性コーラスによる「ムーンレイカー」の曲。楽しそうな雰囲気を醸し出している。
・滝からボンドがボートからスカイカイトで脱出する曲。
・スペースシャトル噴射口からボンドらが脱出する荘厳な曲。
・他、宇宙シーンでの短い曲(サントラの曲の前奏的な意味合い)。

 今作「ムーンレイカー」の本編での曲構成は、曲自体が良いので本編を盛り上げてはいるが、「女王陛下」や「ダイヤ」とは違い、一歩身を引いたような感じもします。それは「007」をスローであまり主張しないことや、ラスト近くの宇宙ステーションでのアクションでボンドのテーマや「007」を使用せず、音楽自体を入れなかったこと。ジョーズと少女が抱き合うスローモーションのシーンも既成のムード音楽を使用したり(オリジナル作曲ではない)など多少の疑問点が残ります。が、ドーベルマンに追われ森林を逃げるコリンが襲われるシーンは音楽が合いまった名シーンでしょう。


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「ボンド映画」「映画音楽」の長年のファンです。

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