忍者ブログ

サントラ・ジェームズ・ボンド・映画音楽アートの研究・映画コラム

「ジェームズ・ボンド映画」のサントラを中心に、映画音楽、映画批評、アートなどを述べていきます。映画コラム・写真集などあります。

「美しき獲物たち」のポスターアートについて

●007シリーズでは、言わずもがなですが、毎回何かしら新しい要素が提示されます。例えば分かりやすいところで、「スカイフォール」では、”ロンドンオリンピック出演”、”50周年記念”などです。

 毎回、王室試写をするのも伝統。変えちゃいけないところと、”ここが新鮮”というところをミックスにして打ち出してくる。

 宣伝総合プロデューサーがいるのかどうか知りません。プロデューサーのマイケル・G・ウイルソンやバーバラ・ブロッコリが全部やってるとも思えません。

 ポスターなどのアート、音楽、予告編、ゴシップ含めた話題、それらそれぞれが、その時代のベストを尽くして、それぞれの表現が出てくるのだと思います。

 そしてそれらの要素を各国配給会社が、自国に受けるようにアレンジして打ち出す。

 さて本題の「美しき獲物たち」ですが、ジョン・グレン監督のポップなアクションも頭打ち、これと言った新鮮味に乏しかったのも確かです。

 そこで本国も日本でもヒットしていた音楽のデュラン・デュランを前面に出してきた。時代はミュージックビデオ全盛期、エッフェル塔やアクション場面をインサートしたデュラン・デュランのPVが、ガンガンTVに流れました。レコード(当時はシングルレコード)は、売れたとのこと(シリーズ最高売り上げと聞いています)ですが、それが映画興行に直結したかどうかは定かではありません。

 とにかく、「美しき獲物たち」で最初に出てきたのは、デュラン・デュランであり、下記のデザイン、スコープの標準窓を思わせる丸いデザインが印象的です。



 さて、デュラン・デュランは、音楽ですから言葉いりませんが、日本配給に課せられた仕事は、原題の「
A View to a Kill 」をどう日本題にするかです。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」の時のように、一般に「日本題名どうしましょうか?」などとは聞いてきませんでしたね。それまではほとんど原作の日本語題名で決めていましたから、今回は短編で『バラと拳銃』(From a View to a Kill )ですからね。英語としても不思議なニュアンスを持つらしく、まあ普通に考えれば、「殺しの視座」とかになるでしょうが、それだと、"a" や、”to"の位置がおかしいらしいです。

 まあ、日本の配給、宣伝部がどう頭をひねったか、「美しき獲物たち」ですよ。シリーズ初めての(「007は殺しの番号」「007/危機一発」を除けば)オリジナル日本題名ですね。”
View”が回りまわって「美しき」、”Kill”が回りまわって「獲物」ですか・・。ちょっと面喰いましたが、まあ、上出来でしょう。フレミングの華麗さも持ち合わせてる。


 で、一番最初に出てきたポスターがこれですね。これ、プレと本チャンがあって、本チャンがムーアの顔がしっかり描かれてる。両方とも世に出て、本チャンが日本版ポスターの第一号でしょう。

・これ(下記)がプレ。ムーアの顔に注目


・これが本チャン。タイトルの色も変わった。


・そして本チャンをそのまま日本版に・・。


「美しき獲物たち」ポスターについては、続きます。

『ジェームズ・ボンドとシリーズ映画・批評エントランス・』TOPへ

PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
youon
性別:
男性
自己紹介:
ウェブサイト「ジェームズ・ボンドとシリーズ映画・批評」
http://youon.ikidane.com/
の管理人です。
「ボンド映画」「映画音楽」の長年のファンです。

最新記事

P R