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サントラ・ジェームズ・ボンド・映画音楽アートの研究・映画コラム

「ジェームズ・ボンド映画」のサントラを中心に、映画音楽、映画批評、アートなどを述べていきます。映画コラム・写真集などあります。

ミッション・インポッシブル3 m:i-Ⅲ の音楽について

●ミッション・インポッシブル3 m:i:Ⅲ の音楽について

Music From The Original Motion Picture Soundtrack
m:i:Ⅲ
Music By
MICHAEL GIACCHINO

ミュージック・フロム・ザ・オリジナル・モーションピクチャー・サウンドトラック
m:i:Ⅲ
マイケル・ジアッチーノ


●全21曲・65分
●極私的アルバム評価  
★★★★

 監督のJ・J・エイブラムスと共に多分、この「ミッション・インポッシブル3」が出世作となる作曲家マイケル・ジアッチーノは、ゲーム音楽出身とのことで、今作でもゲーム音楽手法らしく「映像を盛り上げ、音楽を主張しない」という方法で作曲しています。

 筆者(youon)が、このところ一連の「ミッション・インポッシブル」の音楽について考察し、今更ながら気が付きましたが、「ミッション・インポッシブル・シリーズ」のテーマ曲はあくまでもラロ・シフリンが作曲した「スパイ大作戦」のテーマ曲であり、またそれと関連した旋律(メロディ)であります。

 ですので、1作目でイーサンのテーマを作曲し没になったアラン・シルベストリのように、作品ごとに独自の旋律(目立つ音楽)を作っては、基本的にはご法度なのだと推測します。

 このことは、まだ細かく検証はしておりませんが、現在最新である5作目の「ミッション・インポッシブル・ローグネイション」までシリーズ全部に言えることで、現在撮影中の6作目もこの先もラロ・シフリンの音楽の”縛り”は、続くんだろうと思います。

 さて、この「3」ですが、「スパイ大作戦」のテーマ曲を特に大きく編曲することなくジアッチーノのノリで出し、本編に入ると早速、「スパイ大作戦」の旋律の要素であるシフリンの「THE PLOT」を流し、そのまま「THE PLOT」の旋律を時たま入れながら、ジアッチーノの「タ・タ・タ・タ」というリズムでアクションシーンまで盛り上げています。

 この手法は全編、特にアクションシーンにおいて使用され、ジアッチーノ独自の旋律は1小節か2小節でリズムに打ち消され、ジアッチーノ独自の旋律は、「ラブテーマ」とも言えるイーサンと妻とのシーンに美しく流れるのみ。

 映画本編の音楽は映像を盛り上げて、優秀な出来と言ってよろしいでしょう。が、これをアルバムとして聞くと、「タ・タ・タ・タ」というリズムを刻む音楽が並び、どれも似たような印象になっています(「ラブテーマ」を除く)。

 そして、マイケル・ジアッチーノは、次作4作目の「ミッション・インポッシブル・ゴースト・プロトコル」も担当しました。この「3」の合格点から「スタートレック」を経て、どう変容しているのか楽しみです。


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