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サントラ・ジェームズ・ボンド・映画音楽アートの研究・映画コラム

「ジェームズ・ボンド映画」のサントラを中心に、映画音楽、映画批評、アートなどを述べていきます。映画コラム・写真集などあります。

女王陛下の007

● 女王陛下の007 On Her Majesty’s Secret Service のサントラ音楽について
●タイトルバック 
 ・メインタイトル  On Her Majesty’s Secret Service(インストメンタル)
 挿入歌の「愛はすべてを越えて」をテーマ曲として報道される場合が多いが、タイトルバックは、テーマ曲のジョン・バリー作曲、インストメンタル、「On Her Majesty’s Secret Service」です。この曲はアクションテーマとして編曲され、劇中に何度も登場します。
●挿入歌
 ・「愛はすべてを超えて」 ・歌 ルイ・アームストロング
 初盤、ボンドとトレーシーが2人で過ごすイメージフィルム風なシーンでかかる曲。
●ラスト曲
●全11曲
ボーナストラック入り盤、全21曲
●極私的アルバム評価  
★★★★★
 ・ジェームズ・ボンドのテーマ
 ラストシーンでは「愛はすべてを超えて」がインストメンタルでかかり、「女王陛下」オリジナルのジェームズ・ボンドのテーマがエンドタイトルにかかります。 

●「女王陛下の007」サントラについて
 傑作です。ジョン・バリーの絶好調と言ってよいでしょう。映画音楽史上、上位に上がるアルバムでしょう。

 まず、それまでのシリーズの定番であったタイトルバックのシンガーを外して、ジョン・バリーオリジナルのオーケストラインストメンタル、「On Her Majesty’s Secret Service(女王陛下の007)」を作曲したこと。この曲はアクションテーマともなりアクションシーンで加工されて使われる。
 さらに、「愛はすべてを超えて」を作曲し、歌とインストメンタルで、ムーディーなシーンに使われた。これら2大功績の上にそれぞれのシーンでユニークな曲作りをしている。

 ボーナストラック盤の豪華さは、ボンド一人が山頂の施設から脱出する「ESCAPE FROM PIZ GLORIA」が収録されていることに代表されますが、さらに、サントラ盤で特筆すべきは、ボーナストラック盤が、ただ曲が多いということではなく、通常版にあった既成の曲自体も、途中に違う旋律が数小節入っていたり、曲自体の長さが長くなっていることでしょう。これは多くの曲に言え、通常版とボーナストラック盤と同じ曲の方が少ないと言えます。

 例えば、ボーナストラック盤は、ガンバレル付きの「THIS NEVER HAPPENDTO THE OTHER FELLER」になってますし、また、「JOURNEY TO BLOFEELD'S HIDEAWAY」などは通常版とは後半の曲が全く違います。映画本編には、ボーナストラック盤の曲が使われています。
 通常盤とボーナストラック盤とでは、「JOURNEY TO BLOFEELD'S HIDEAWAY」という名でそれぞれ違う曲が入っていると考えて差し支えありません。逆に言えば、ボーナストラック盤にない曲が通常版にあるということです。「女王陛下」の音楽を堪能するためには、通常盤、ボーナストラック盤の両方を持たれることをお勧めします。


●「女王陛下の007」作品内の曲について 
 ピーター・ハントの演出が、シーンごとに趣旨がハッキリしているため、音楽がつけやすかったのかどうなのか、バリーの手腕は絶好調。どのシーンでも何らかの音楽が付き、シーンを盛り上げている。

 ボンド俳優が新しくレーゼンビーに変わったため、冒頭のガンバレルの後の「ボンドのテーマ」でボンドを印象づけた以外は、最終のエンドタイトルまで、ほとんどノーマンの「ボンドのテーマ」は曲内に旋律として登場しない。
 その代わり、「女王陛下のテーマ」と「愛はすべてを超えて」をいたるところで登場させています。

 60年代後半の映画に流行った、”ミュージックフィルム風にまるまる1曲使用する”という手法を「女王陛下」にも取り入れています。サッチモ(ルイ・アームストロング)の歌う「愛はすべてを超えて」が、ボンドとトレーシーのたわむれるシーンにそのまま使っています。

 2つのスキーチェイスシーンには、「女王陛下のテーマ」のそれぞれのアレンジ。ボンド、トレーシーの車で逃走するシーンにも「女王陛下のテーマ」がかかる。

 終盤、ブロフェルドの山頂施設へのヘリの襲撃には、ノーマンの「ボンドのテーマ」がそのまま2回使われ、曲が終わるとほぼ同時にブロフェルドからのマシンガン銃撃、「女王陛下のテーマ」に変わる。

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「ボンド映画」「映画音楽」の長年のファンです。

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