まず、「男の裸」の観点から、大したことはありませんが述べておきましょう。
これはネタバレになりますが、予告編でもバラしてるので言っても構わないでしょう。
後に三蔵法師の付き人「沙悟浄」になる魚の妖怪が、妖怪ハンターに退治され、人間の形になり、陸揚げされる。全裸の男でスリム普通体型のなかなかいい男。脚で股間は隠されているが、ケツは丸出し。
いい男と言えば、後の三蔵法師・玄奘にしろ、後の「猪八戒」のイノシシの妖怪、妖怪ハンターの虚弱王子にしろイケメン揃い。裸ではないが玄奘の着物をはだけたセクシーダンスや猪八戒の色っぽい動作がけっこう魅せてます。
さて、本編の評ですが、エンタティメント作品として優秀な出来栄えです。DMM.comの点数では3点(5点満点で)なのが少々不思議です。筆者の感覚ですとこの10年の映画作品ではトップに近い出来栄え、もちろん5点ですね。
監督は「少林サッカー」などのチャウ・シンチー。コミカルで大げさなアクションに定評があり、当作品でも各妖怪との戦いを目を見張るアクションで見せている。
話も偽妖怪ハンターから始まり、女性妖怪ハンターとのこじれた恋愛、如来に500年間穴に閉じ込められたという孫悟空(この時点ではしょぼくれた人間)と玄奘とのコントのようなやり取り。玄奘が孫悟空を「孫さん」と呼ぶのも面白い。
最大の見せ場は、多数の妖怪ハンターと如来の呪縛を解いてサルになった孫悟空との戦い。この時の妖怪ハンター「虚弱王子」もセクシーだ。とにかく登場人物全てキャラが立っている。孫悟空が京劇の衣装なのも決まってる(ハンターたちにからかわれる)。
この作品の特筆すべきところは、音楽の使い方の妙ですね。アクションシーンのコミカルな旋律を込めた印象的な音楽。ラストは日本の「Gメン75」のテーマ曲をそのまま使ってます(著作権を取ったとのこと)。
「西遊記」という話は、キャラクターさえ登場していれば、どんな話に加工しても「西遊記」に成り得る、という話を聞いたことがあります。今作「西遊記〜はじまりのはじまり〜」は、本当に、はじまりのはじまりで、オリジナルの話でしょう。一般的に知られる「西遊記」の話は、ラストの2分間ほどということになります。筆者お勧めです。
2017年にはキャストを一新した続編『西遊記2〜妖怪の逆襲〜』(原題:西遊 伏妖篇、ツイ・ハーク監督)が製作された。コミカルさは抑えられたが、こちらもいい出来。こちらの孫悟空はイケメンになってるのが大きな違い。
配信・西遊記~はじまりのはじまり~