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サントラ・ジェームズ・ボンド・映画音楽アートの研究・映画コラム

「ジェームズ・ボンド映画」のサントラを中心に、映画音楽、映画批評、アートなどを述べていきます。映画コラム・写真集などあります。

●「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」 Tomorrow Never Dies の音楽について

●「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」 Tomorrow Never Dies の音楽について

 「007/リビング・デイライツ」でジョン・バリーが007を降りてから、どうも収まりがつかなかった2作を経て、この「トゥモロー・ネバー・ダイ」でやっとボンドミュージックが返ってきたという感じです。

 それはもとより、デヴィッド・アーノルドが今作で起用されたからであるのだけれども、何はともあれ、デヴィッド・アーノルドの「ボンドミュージック」に対するリスペクトの念と、ジョン・バリーに対し、筋を通した男意気が功を奏したんだと筆者(youon)は思っております。

 デヴィッド・アーノルドは、今回の「トゥモロー・ネバー・ダイ」で作曲した曲をポストプロダクション作業前にジョン・バリーに聞かせ、意見を求めたそうじゃないですか?
 スタジオにバリーを呼んでバッチリ聞かせたのか、バリー宅か近くの喫茶店でウォークマンで聞かせたのか私は知りません。が、とにかくバリーに聞かせて、「いいんじゃないの?」みたいな感じだったらしいですよ。

 バリー以外に007を担当した過去の作曲家はそんなことしなかったし(でしょ?)、そんな筋合い無いわな。それをやったアーノルドは偉いと思いますね。

 さて、「トゥモロー・ネバー・ダイ」のサントラですが公式に2種あります。簡単に言えば先に出たのと後で出たヤツ。それらの紹介と、ゲーム音楽1種、同時期発売だった「MOBY」を取り上げます。



●「トゥモロー・ネバー・ダイ」Tomorrow Never Dies
 Music from the Motion Picture
 
ミュージック フロム ザ モーションピクチャー



 作曲・デヴィッド・アーノルド David Arnold

●全15曲 54分
●極私的アルバム評価
★★★★★

●タイトルバック 
・トゥモロー・ネヴァー・ダイ Tomorrow Never Dies 
 主題歌・シェリル・クロウ
・「トゥモロー・ネヴァー・ダイ」の日本名タイトルはは、「ネバー」ではなく、「ネヴァー」である。
・主題歌作詞・作曲、シェリル・クロウとミッチェル・フルーム



●挿入歌
・特に見当たりません。

●ラスト曲
・サレンダー
 作曲・デヴィッド・アーノルド
 歌・k.d.ラング
・当初はこの「サレンダー」が「トゥモロー・ネヴァー・ダイ」として主題歌になる予定だった。

●「トゥモロー・ネバー・ダイ」
 ミュージック フロム ザ モーションピクチャー について

・一番最初に出た盤であることは間違いありません。公開前だったような記憶があります。「MOBY」と同時だったような記憶もあります。
 この盤の特徴は、主題歌、ラスト曲、MOBYのジェームズ・ボンドのテーマは入っていますが、劇中曲が中途半端です。とにかく公開に間に合わせるように売れ筋詰め込んだという感じです。

 この後に出るスコア盤に入ってなく、この盤に入ってるのは、主題曲とラスト、MOBY、この盤だけの劇中曲が数曲あります。デヴィッド・アーノルドの音楽性についてはこの後のスコア盤で述べた方がよろしいでしょう。



●「トゥモロー・ネバー・ダイ」Tomorrow Never Dies
 The Original Motion Picture Score 
 
ザ オリジナル モーションピクチャー スコア

 

 作曲・デヴィッド・アーノルド David Arnold

●全19曲 75分
●極私的アルバム評価
★★★★★

●「トゥモロー・ネバー・ダイ」
 
ザ オリジナル モーションピクチャー スコアについて。

・「スコア」と名乗ってますが、前の盤と同じ曲は同じですから、実質こちらもサントラと考えてよろしいでしょう。ただし歌唱曲2曲、MOBYは入っていません。

・デヴィッド・アーノルドの成功は、とにかくキメにボンドのテーマを流すという、「ボンド映画」の基本中の基本を押さえたってことですね。ただし、そりゃ流しっぱなしじゃなく、シーンシーンでアーノルドのキレのいいアクション音楽を聞かせます。

 ハンブルグでのQとの対面シーンではアーノルド編曲のボンドのテーマを頭から流し、そのまま携帯車操作の見せ場でボンドのテーマのサビ、「パラッパラー!」と繋げる。その豪快さ!

 カーチェイスでは本来テーマ曲になるはずの「サレンダー」をアクション風に編曲。バイクチェイスではボンドのテーマをシーンのムードに合わせて編曲。
 アクションシーンだけではなく、「ハーロン湾よ」で雄大な景色にオーバーラップ、雄大でムードある音楽・・。
 多くのファンがアーノルドの活躍を祝ったことと思う。

 ああ、19曲目はアーノルドのインタビューです。30%ぐらいの英語理解力の筆者(youon)にとってインタビューアーの英語はハッキリして分かるんだけど、アーノルドはボソボソしゃべるのでよく分かりません。「二度死ぬ」の思い出とか、次回作(つまり「ワールド」)について話してます。



●「トゥモロー・ネバー・ダイ」
Tomorrow Never Dies
 JAMES BOND THEME MOBY  
 
ジェームズ・ボンド・テーマ モービー

 

 作曲・モービー MOBY

●全6曲 52分
●極私的アルバム評価
★★★

●「トゥモロー・ネバー・ダイ」
 ジェームズ・ボンド・テーマ モービーについて。

・ゴールドフィンガーとの掛け合いのSEが入っている「ジェームズ・ボンドのテーマ」は聞かせますよ。途中、メロディがオリジナルで雄大な雰囲気を醸し出すところなんて感動モノですね。テクノもやれば人の心を動かせるいい例ですが、他の曲はおまけですね。遊んでるみたいな曲が長々と続きます。そう言えば、「ジェームズ・ボンドのテーマ」が何故良いかと言えば、原曲が良いからですよ。それに尽きるわ。

 「ジェームズ・ボンドのテーマ」で、星5つ。その他が、星2つ。結果、評価は★★★ですね。

 話変わりますが、このMOBYの曲は、「トゥモロー・」公開時にラジオでガンガン流れてましたよ。「トゥモロー・」興収に相当貢献したんだと思います。それまで最高興収だった「ゴールデンアイ」よりも興収上がったということですよね。やっぱり「ボンド映画」はボンド!ボンド!と騒がにゃいかんとですよ。



●「トゥモロー・ネバー・ダイ」
Tomorrow Never Dies
 The Original Soundtrack From The VideoGame  
 
ザ・オリジナル・サウンドトラック・フロム・ザ・ビデオゲーム

 

 作曲・Tommy Tallarico

●全17曲 39分
●極私的アルバム評価
点を付けるのを控えます。


●「トゥモロー・ネバー・ダイ」  
 
ザ・オリジナル・サウンドトラック・フロム・ザ・ビデオゲーム
について。

・筆者(youon)はビデオゲームをやりませんし、ビデオゲームミュージックに関しての見識も、もちろんありません。が、しかし、このアルバムを買ってしまったのは何故でしょう。昔のことなのでよく覚えてはいませんが、パッケージデザインでマニア心がくすぐられたのだと思います。

 「ボンド映画」もいくつかゲームが出ているようですが、何が出ているのか筆者(youon)は知りません。「ゴールデンアイ」が有名ですね。「スカイフォール」とか出てるのでしょうか? ならば、やってみたい気もしますが、ハードが無いので無理です。

 さて、このアルバムですが、「ゲームミュージックなんだな・・」という感想しか持ちえません。1曲目のボンドのテーマはかっこいいですが、なんかスカスカです。やはり音楽にヴォリュームや意味合いを持たせるとゲームのじゃまになるのでしょうね。

 とりあえず、「私持ってます」という意味合いで、ここに書かせていただきました。


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http://youon.ikidane.com/
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「ボンド映画」「映画音楽」の長年のファンです。

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